あきみおSS:さえずりの儘に

小説/SS

日記と余談

春の日の、何気ない美桜ちゃんの日常を綴ってみました。ちょろっと、ちぃちゃんや、早百合さんが友情出演しています( ´∀` )


家の近くで、ウグイスが透き通った声で一日中さえずっていた出来事から着想を得ました。春らしくて綺麗だな~よく鳴くな~と、調べてみたら、「ホーホケキョ」の声も求愛行動の一種の様で。そりゃしきりに鳴くわけだ、と腑に落ちました(´・ω・`)ガンバレ

余談ですが、綴っている途中まで、「ホーホケキョ」=ホトトギスと勘違いしていました(笑) ホトトギスの画像を調べて「めっちゃカッコウみたい…あれ、これがホーホケキョって鳴くんだっけ?」と鳴き声で調べたら全然違ってました(;´▽`A“ 未だに春の鳥は怪しいです(笑)

鳴き声は聴くけれど、肉眼でウグイスを見た事ない気がして…。生で見たら記憶に残るかもしれませんね( ˘ω˘ )

登場人物紹介

🔍アイコン画像を押すとそれぞれキャラクターの説明ページへ遷移します(美桜と秋人は創作共通ページです)

SS:さえずりの儘に

さえずり【囀り】
繁殖期の雄鳥の鳴き声で、特に求愛の鳴声を表す。春の季語でもある。

まま【儘】 
1.成り行きに任せること。
 「したい―(=したい放題)にさせておく」
2.そうある通り(の状態)。
 「もとの―で進歩しない」

***

ぽかぽかと陽が心地よい、春の昼下がり。

美桜(みお)は、親友の琴音(ことね)と椿里(ちさと)と一緒に、喫茶店のテラス席で季節限定のいちごミルクティーを楽しんでいた。


三人で分け合った桜のシフォンケーキは見た目も可愛らしくて、口に入れた瞬間ふわりと花の香りが広がった。

お腹も心も満たされたせいか、春の陽気に誘われて自然とまぶたが重くなっていく。
琴音は周りを気にせずに大きなあくびをしており、はしたないとたしなめる椿里もまた、つられた様にあくびを嚙み殺していた。


三人共に今日はもういっか!という結論になり、予定していたショッピングはまたの機会にして、早めに解散することになった。

二人と別れて歩き出した帰り道。ふわりと風が吹いて、美桜の髪が頬をなでた。

その瞬間――

「……ホーホケキョ!」

澄んだ声が空から響く。
眠気の残る意識の奥に、あたたかな音色が染み込んだ。

(ウグイス……? すごく近くで鳴いてる……)

急に冴えた頭で、ふと思いつく。

「ちょっとだけ……探してみようかな」

そうして、美桜はふらりと脇道へと足を向けた。 

舗装された街道から、山沿いの小道へ入る。
角をひとつ曲がると、視界がぱっと開けた。

桜の木々が、道の両側から枝を伸ばして、空をやさしく覆っていた。

「わぁ……ここって、こんなに桜が咲くんだ……知らなかった」

いつもなら素通りするだけの場所。
けれど少しだけ足をのばせば、こんなにも美しい景色が広がっていた。

やわらかな風が、花びらをひらひらと舞い上げる。

「ホーホケキョ!」

「……あっ、また鳴いてる」

目をこらして梢を見上げると、ひときわ高い枝に小さな影が見えた。
くちばしを震わせ、羽を揺らしながら、声高々に歌っている。

一度スマホを取り出しかけたけれど、思い直してポケットへ戻した。

(写真に残すより、ちゃんと目で見ていたいな……)

そう思って小さく笑った時だった。

視線を落とすと、少し離れたベンチに腰かけている人物が目に入った。

優しげな表情で、同じように桜を見上げている――喫茶カザミドリの店主、秋人(あきひと)だった。

「秋人さん! こんにちは!」

「みおさん……こんにちは。奇遇ですね。お散歩ですか?」

声をかけると、秋人は読んでいた本を静かに閉じ、微笑んだ。

「はい。ウグイスの声が近くで聞こえたので、つい気になって探してたら……近くにこんな場所があるだなんて、知りませんでした。」

「奥まった場所にありますからね。その分、人も少なく静かに桜を見られるのですが…。」

二人の間に春風が通り抜け、花びらがゆるやかに舞い上がる。

「ホーホケキョ!」

呼応するように、ウグイスがさえずる。

「…この景色を写真に収めようかとも思ったのですが、目に焼き付けておきたくて、やめておきました。」

やはり肉眼には適いませんね、と秋人は少し困ったように笑った。

その言葉に、美桜の胸があたたかくなる。

偶然の重なりの中で、同じ景色を見て、同じ気持ちになっていたことが、ただ嬉しかった。

「わたしもですっ!実はさっき、ウグイスを撮ろうかな~と思った時に、全く同じことを考えてました。」

そう言って、花の様に瑞々しく笑みをこぼす。

「ふふっ、なんだかおそろいみたいで、嬉しいです!」

―春の午後の、やわらかな光のなかで。
今日この場所で、偶然に彼と出会えたこと。

それは、美桜にとって、日常と特別が優しく溶け合う、かけがえのない一日となった。

あとがき

短編小説の後のあとがきは、いつも気恥ずかしくなってしまいますね(;’∀’)

実は、先日青森県の弘前の桜祭りに行ってきまして。東北の方は4月下旬頃に桜の見頃を迎える様で、自分は4月末にお邪魔しました🌸

特に満開から少し経ったころ合いだったので、それは見事な桜吹雪を拝むことが出来ました。CGやゲームの中の様な桜吹雪が、現実の世界にも存在するんだな、とただただ感動するばかりでした。どの景色もスマホをかざしたものの、肉眼の様な鮮やかさや圧倒感が出ず、記念に撮る分以外は、見て楽しむことにしました。

あまり意識してはいなかったのですが、こうした経験も短編小説の中に生きているなぁ~としみじみとしました(*´ω`)

今年は遅くまで桜を堪能できたからか、未だに春の桜の心地よさを引きずっています_(:3 」∠ )_ 5月の新緑も大好きなんですけどね(^▽^;) 少しずつ風も陽も温かくなり、活力のある緑が成長している様を実感しています😊ひなたぼっこが気持ちいい季節がやってきますね🌞楽しみです🎶

それでは今日はこの辺で、ありがとうございました!(∩´∀`)∩

追記ー25.05.10

なんとご感想を頂けましたヾ(≧▽≦)ノありがとうございます!!

情景を思い出せる様な、想像できるような文章を目指しているので、そう仰って頂けてとっても嬉しいです🙇‍♀️✨何気ない日常の一コマって良いですよね💕気に入って頂けて、こちらもハピハピです😆🍀ありがとうございます!

今回のSSも、何日か考案する時間はあったものの、比較的サクッと完成まで持ってこれたので大変満足しています。

今回の話は、本編軸の幕間として問題ない気がしますが、こういった思いつきSSは、最初から「上手く本編軸と辻褄を合わせようとする」ことを意識せず、「完成出来ること」を目標にしています😌

完璧主義な質がありまして…、初めから辻褄を完璧に合わせようとすると、もう本編どころか、SSも完成しないので、最近はそうする様になりました(^▽^;)アハ

後から本編になるかも!という時は修正をかけますが、たまには辻褄が合わない世界線でも…ね!個人の妄想創作ですから!(笑)もう自分に対する開き直りですヾ(:3ノシヾ)ノシ イイジャナイノ!

これからも雰囲気SSを、気が向いた時に綴れる様にしていけたらと思います(๑و•́ω•̀)و

余談ですが、いつもご感想フォームをページ下部に置き忘れていて、ご感想をもらった時に気づいて設置していたりします(;´▽`A“アハハ


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