日記
お疲れ様です(*´▽`*)ホワイトデーの短編小説、なんとなつゆきの話もしたためることが出来ました✨なつゆきは何と言ってもテンポのいいセリフ回しと、展開の緩急が特徴的ですね。自分で綴っておいてあれですが「おぉ…そうなるんだ(笑)」と、二人のペースに置いて行かれながらも、にやにや楽しんでおりました😎なつゆきの話も気恥ずかしい表現がありますが、良い感じに書けたので、楽しんでいただけますと幸いです🙇✨
SS:白い贈り物と、隣で笑う君

三月十四日、ホワイトデー。
冬馬は、いつものように整然と片付いた自宅のリビングで、穏やかに本を読んでいた。
カーテン越しに差し込む午後の日差しが、白いページの上を優しく照らしている。
けれども、部屋の空気は普段とは少し違っていた。
―何故なら、キッチンには夏野が立っていたからだ。
「なあ、ユキ。もうちょいだけ待ってろよ。」
そう言って、夏野は手元の泡立て器をくるくると回しながら、冬馬に語り掛ける。
「……別に、急かしてはいない。」

冬馬は、本のページをめくりながら、ちらりと彼の方を見る。
―こんな光景は、珍しい。
バレンタインデーに、冬馬が夏野の隣でマカロンを作ったときとは逆の状況。
あの時は、夏野がキッチンのカウンターに肘をつきながら、じーっと冬馬の手元を眺めていた。
「お菓子作りって結構繊細なんだな。」
「君が適当にやったら、まず間違いなく失敗するだろうな。」
「あ?そんなんやったら、今度はオレがやってみよーじゃねーの。覚悟しとけよ〜」
「何の覚悟をしろというんだ…。」
―そんな会話を交わしていたのを思い出す。
冬馬は、本の文字を追いながらも、自然と耳を澄ませていた。
泡立て器がリズミカルに動く音。
夏野が何かを確かめるように、作業を止め、ふっと小さく息をつく音。
―案外、丁寧に作業をしているらしい。
***
「おーし、完成!」
生地が焼ける香ばしい匂いが落ち着いた頃。
夏野の声に合わせ、冬馬は静かに本を閉じ、ソファーから立ち上がった。
カウンターには、小さな皿に雪玉の様なお菓子がコロコロと並んでいた。
「……ブールドネージュか。」
「お、さすがユキ。よくわかったな。」
夏野は得意げに腕を組みながら、冬馬を促す。
「ホワイトデーだから、白いのがいいかなって思ってな。味は保証できねえけど、まあ食ってみてくれ。」
言われて、冬馬はその一つを手に取る。
指の腹にふわりと粉砂糖がつく感触を覚えながら、口に運ぶ。
粉砂糖の僅かな冷たさが舌に広がる。噛むと雪の壁がほろほろと崩れ、口の中で優しく溶けていく。
瞬間、生地のほのかな温かさと甘さ、次いでバターの香りが広がる。
……想像していたよりも、ずっと繊細な味だ。
「……美味いな。」
冬馬が素直にそう言うと、夏野は「マジか!」と嬉しそうに笑った。
「いや、結構頑張ったんだぜ?混ぜ加減とか、焼き加減とか、めっちゃ気遣ったし……まあ、レシピ通りにやっただけだけどな。」
「君にしては上出来だ。」
「んだよそれ、褒めてんのか、けなしてんのか…。」
「褒めているつもりだが?」
「……まあ、ユキが気に入ってくれたならいいか。」
そう言って、夏野は笑いながら頭をかいた。
「で、な?本当はこれだけじゃなくて……。」
続けて、ポケットから何かを取り出す。
それは、ベロア調の小さな青い箱だった。
「ん?」
「……その、さ。」
夏野は少し目をそらしながら、箱を冬馬に差し出した。
「これがまぁ、オレからのホワイトデーってことで。」
冬馬は、無言で受け取る。
そして、静かに蓋を開けた。
中には、シンプルなシルバーのネックレスが。
トップには、小さな青紫の宝石が煌めいていた。
「……タンザナイト?」
冬馬は、指先でそっと宝石をなぞる。
深い青紫の輝きが、光を受けて揺れる。
「ユキ、青系のアクセ好きだろ?前にやったタンザナイトの指輪も気に入ってくれてたしさ。
ただ正直、一緒の宝石にするかどうかめっちゃ迷ったんよ。でも純粋に、ユキに似合うなだろうな~って思って、これにしたってわけ。」
恥ずかしさからか夏野が捲し立てるように話す。
「……これは。」
冬馬は一度言葉を切り、息を整える。
「……私に?」
「当たり前だろ。オレが他の誰に渡すんだよ。」
「……そうか。」
呆然とした様子で呟く冬馬。
タンザナイトの青紫が、午後の陽に透けて煌めく。
自分のために選ばれたものだという事実が、ゆっくりと胸の中に染みていく。
「……ありがとう、大切にする。」
嬉しさをかみしめるように微笑む。そんな彼の反応に、夏野は気恥ずかしい様子で返答する。
「お、おう。まあ、似合うと思うし、気が向いたらつけてくれや。」
「……今、つける。」
「え?」
冬馬はネックレスを手に取り、自らの首元にかける。
金具を留め、そっと首筋に滑らせる。タンザナイトのトップが肌の上に心地よく触れた。
「どうだ?」
「……ああ。」
夏野はしばらく黙って、冬馬をじっと見つめた。
そして、ふっと口元を緩める。
「……すげぇ、似合ってる。」

その言葉を聞いた冬馬は、目を伏せ、わずかに頬を染める。
「……そうか。」
「そうだよ。」
そういって冬馬の赤らんだ頬に触れ、
真っ直ぐに彼を見つめる。
「だから、これからも、ずっとオレの隣でそれつけてろよ。」
その声音は先ほどよりも低く、どこか熱を帯びていた。
「……なんて、カッコつけすぎだな。」
自身の行動を茶化し、冬馬の頬から手を降ろす。
冬馬は、口を閉ざしたまま、指先でネックレスを触った。
指の先に伝わる冷たい金属の感触と、先の夏野の視線。
それらが混ざり合い、心の奥でゆっくりと温かくなるのを感じた。
「……わかった。」
幼い少年の様にはにかむ。
そんな冬馬の反応に虚をつかれた夏野は、「ははっ」と笑った後に、彼を愛おしく見つめるのであった。
余談
温度差に定評のある男、夏野(笑)入りと終盤の表情の違いよ(^ω^)チキンガカッコヨクナリヤガッテ
なつゆきはす~ぐイチャイチャしやがるので書いていておひょ~となります(笑)楽しいです(´へωへ`*)
ブードルネージュについて
ブールドネージュ(Boule de Neige)はフランス語で「雪の玉」を意味する、真っ白なパウダーに包まれた丸いクッキーです。英語では「スノーボール」とも呼ばれるらしいです。お菓子全般に言えることですが、有塩バターを誤って使うとしょっぱくなるんですよね(笑)夏野も結構ズボラな人間ですが、ゆきの為に作っているので、きちんと無塩バターで作っていると思います😅
紙の本について
それから、話の冒頭にゆきが本を読んでいますが、電子書籍でなく紙タイプなんですよね。話の表現的に紙がいいなぁとも思ったのですが、彼の性格から鑑みても、書籍は電子と紙、半々で読むタイプかもしれないですね。特に書籍系はモノによっては電子版は読みづらかったりするので…。紙版の本は、読み返すタイプでない限り、手放しそうです。夏野にでもまとめて売ってもらってるんじゃないかな(*‘ω‘ *)
バレンタインの話
話の中で「バレンタインの時にゆきがマカロンを作ってくれた」という描写がありますが、これは今年のバレンタインの内容を盛り込んでみました٩( ”ω” )و
漫画というほどの内容はないですが、描きたい所だけ詰め込んだらくがき集です。良ければ以下からご覧下さい😊

プレゼントについて
ホワイトデーにアクセサリー、もらっちゃったね~冬馬さん(´艸`*)ヤル~
こういうプレゼントってありなのかな~(゜.゜)と思いましたが、海外ではホワイトデーにアクセサリーをプレゼントする風習があるそうですね。
なつゆきはなんとなく誕生日だから毎年決まって物を送りあうことはなさそうです。特にゆきの方がモノが増えることを嫌いそうなので。誕生日に決めていることと言えば、少し高めな美味しい物を一緒に食べたり、いいホテルに泊まったりすることかな~と思います。
プレゼントは相手に合うモノが見つかった時に、記念日にかこつけて渡すんじゃないかなって。例えば今回のホワイトデーみたいに。良い日がなければ、もう普通の日に突然プレゼントを渡すと思います( ´∀` )
あとは冬馬さんがどんどん、人からもらったプレゼントでアクセサリー人間になっていってるってことですね(笑)ついにネックレスまでもらっちゃったよ~。ネクタイはともかく、ブレスレットに指輪もある…(笑)イベントごとに付け替えたり、フルセットで付けましょうね~( ̄▽ ̄;)描き忘れない様にしないと
あきみおの話は内容の繋がりから、本編を表現出来ているかな~とよくよく思うのですが、なつゆきの方は反対に「モノ」や「二人の距離」で本編感が感じられるな…と思いました(*‘ω‘ *)伝わりますかね💦
昔から、誕生日絵で描いた「なつがゆきに指輪をプレゼントしている」シーンから、何の気になしに、ずっと指輪を付けて描くようになったり、それが交際後、情緒が安定した冬馬さんのアイデンティティになったりと、わりと「モノ」が影響しているんですよね(゜.゜)
あきみおとは違った、メインのサブキャラらしい本編の表現方法として、割と気に入ってはいます(*´ω`)ただ突発的に出したモノが、急に本編に絡んでいることになっているので、モノの意味合いや間の話をきちんと考えないとな~とも思っています。今後の課題ですね(๑و•̀ω•́)و
それから、あきみおのホワイトデーの短編小説も綴ってみたので、良ければご覧いただけますと嬉しいです🍀こちらは付き合う前の初期の二人の話を楽しんでいただける内容となっております(´▽`)
ではでは、今回はこの辺で。ありがとうございました!(人”▽`)